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カルドセプトDSのストラテジー

by jin on 2008-05-14

カルドセプト・サーガのカードイラストでお世話になった、ゾルゲ市蔵先生ことゾルゲール哲先生(ん、逆か?)の著作となる「ゾル漫」が発売になっております。

あ、なんで突然こんな話をするかといいますと、帯の言葉を大宮ソフトで書かせてもらったからなんですねえ。
もともと私は、Web連載当初から読んでいて好きだったのですが(以前、このノートにも書きましたね)、 そんな縁もあってのことですね。

…というより、まあ、実際のところはセガさんの粋な計らいという感じでしょうか。 実は、そこでちゃっかりカルドDS版の宣伝もさせてもらっているんです。
そんな意味もありますので、ぜひ、皆さんも「ゾル漫」を見かけたらお手に取ってみてください。
あまり一般の書店で見かけない…ような気もしますが…(ネットショップなら大丈夫です!でも帯の宣伝効果、微妙…)。

さて、本題です。

DS版のチューニングも、佳境に入りつつある昨今です。
その過程で、DS版の(というか、1stの)カードラインナップによる戦略の独自性みたいなものが見えてきた気がします(今更…)。

一つには当然、種族の存在が大きいのですが、それは独自システムなので、とりあえずここでは置いておいて…。 今回、キーワード能力(先制とか援護とか)の種類が2nd等に比べて少ないわけですが、それがむしろブックのオリジナリティに寄与するんじゃないかということです。

カルドセプトのデザインポリシーに「1作品中のカードの種類をやたらに多くし過ぎない」というようなものがあります。
カードの種類が多いほど戦略の幅は広がるとも言えるのですが、それにはプレイヤーが把握するのが困難になるというデメリットもありますからね。

それでも、2nd、サーガと経るうちに、能力はどんどん増えて来て(新しい能力をプレイするのは、開発者としても楽しいので…)、新たなカードも次々生まれています。

ポリシーに従うなら、増えた分はある程度減らさなければいけません。減らすカードとしてまず槍玉に挙げられるのは、あまり使えなかったカード、他に似たような能力のあるカードなどです。
こうした淘汰を経るうちに、カードラインナップは精選されて行き、どのカードもある局面では唯一無二の価値のあるものになっていくのです(まあ、実際にはそこまでの域にはまだ達していませんが、方向性としては、そういうことです)。

でも、そこには小さな弊害があるんですよね。
すべてのカードが唯一無二のものになるほど、あるコンセプトのブックを組んだ場合、誰が作っても同じようなものになりがち…ということです。 極端に言えば、対戦序盤でドローする数枚のカードを見ただけで、残りのカードが全部推測できる、ということもあり得ます。
もっとも、コンセプトの数さえ潤沢であれば問題ないので、これもひとつの方向性だとは思ってはいます(というか、カルドセプトがシリーズを経てそういう方向になるのは、避けられないかな…)。

その一方DS版は、多くの調整が入ってかつての1stとは別物になりつつあるものの、かつての1stにあった「懐の広さ」がまだ残っている感じがあるんです。
DS版では、コンセプトでブックを組もうとしたときに、投入すべきカード(主にクリーチャーに関して)の選択肢にある程度幅があり、プレイヤーはそこから好きなものを選べるのです。つまり、同じコンセプトのブックでも個性を発揮する余地があるということです。
悪く言えば、用途のあいまいなカードがまだ結構ある、ということでもあるのですが…。

また、DS版(1st)では、属性毎の個性にしてもまだ未分化な感があります。カルドセプトではシリーズを通じ、各属性に「パワーの火」「無効化の水」「援護の地」「先制の風」といった特徴がありますが、それがまだややあいまいなのです。
例えば、先制を主軸に置いた火ブックとか、無効化主軸の地属性なども成立しそうです。

さらに、カルドセプトでは通常、ブックに入れるクリーチャーの属性はある程度そろえた方が有利になるのですが、 その縛りもDS版ではやや緩いように思えます(PS版程ではないですが)。
ここには、冒頭で触れた種族の存在も影響しています。環境によっては、種族への意識を属性に優先して考えた方が有利な場合もありえます。 ですので例えば、拠点確保用のクリーチャーだけは最低限属性を揃え、侵略面や種族、その他の機能性の部分を他の属性からいくつかつまんで散らす、なんていうのも(緩さゆえ)に有効に思います。

といった感じで、現時点でのDS版のストラテジーの一端を推理してみたわけですが…。
ひとつ問題なのは、こういう開発側の能書きというのは、大概あてにならないということですね…(ここまで真剣に読んでくださった方がいたらすみません…)。
カルドセプトの戦略というのは、今までもずっとそうでしたが、セプター(プレイヤー)の方々が見つけて育てているものなんですよね。私たちは、発売後に皆さんに発見された戦略を、後追いで解釈したり、次回作にフィードバックさせてもらっているようなものです。

ということで、これをお読みの皆さんも、DS版の戦略を育むために、ぜひ力をお貸しください!

(2008.5.12 神宮)

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