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大宮にあるから大宮ソフト

カルドセプトの仕事では、ありがたくも色々な方々と出会う機会を得られた。加藤先生を始め、スザクゲームズの(Magicでおなじみの)朱鷺田さん、マンガ家の中村先生や金子先生、ゲームWaveで大宮に来られた伊集院さんなど。本やTVなどで知っていた方々に会い話をする…なにか不思議で感慨深いものあるものだ。

そして今回、またそういう機会を得ることが出来た。しかも今度は、私(神宮)自身の人生に大きな影響を及ぼしたと言っても過言ではない人物なのである。それは、ゲームスタジオの遠藤雅伸氏である。

遠藤氏は、「ゼビウス」や「ドルアーガの塔」の作者として有名だが、私にとっては単にそれだけではない。私は(中学生の頃か)彼によって初めて「ゲームデザイナー」という職業の存在を意識したのだ。そして「遠藤氏のようなりたい」と思った。恩師にあこがれ先生になる人や、ヤザワにあこがれミュージシャンになる人がいるように、当時のその思いが(紆余曲折はあったが)今の私を作ったのだと思う。

遠藤氏がどれだけ偉大なのか…多くの人はお分かりだろうが、分からない人のために説明しよう。ゼビウスはそのグラフィックや深い世界設定で我々を驚かせたと共に「隠れキャラクター」という要素をゲーム界に定着させた。隠れキャラクターを売りにヒットしたゲームもあるくらい、これは重要な要素だった。ドルアーガの塔は、日本のファンタジーRPGブームの火付け役となったと言ってよいだろう。実際の関係は不明だが、ドルアーガの後、ゼルダの伝説やドラゴンクエストが現われて大ヒットしたのである。また、ドルアーガは初めてスタッフロールを持ったゲームではないだろうか。これがビデオゲームを単なる「オモチャ」から、映画などの映像作品に近い地位に格上げさせる引きがねとなったと言えるだろう(そして、そのおかげで私如きが「クリエイター」などと呼ばれていい気になっていられるのである)。

そんな遠藤氏に会った。当時の思いが走馬灯のように脳裏をよぎった。遠藤氏は、想像よりもちょっと辛口で、お茶目で、そして想像通りゲームに対する熱い思いを持った方だった。取材も兼ねた座談会だった(そしてキンチョーしていた)ので、聞きたかったことや話したかったことを全て話せた訳ではないが、それでも私にとって楽しく有意義な時間だった。この座談会の内容はいずれ別の形で御披露目されることだろう。

記念に、遠藤氏に色紙を書いていただいた。「ゲームの何たるかを知れ」。深い言葉である。会社に飾り、今後この言葉を胸に刻みつつ仕事に励みたいと思う。(実は「ありがたい言葉を書いてください」と無理やり頼んだんだけど)
しかし…役得だったなあ。ま、これもメディアファクトリーさんのご好意で実現したのだが、もしかしたら、「尊敬するクリエーターの人」とか言うと、また会わせてくれたりするのかなあ。ええと、任天の宮本さん、MagicのRichard Garfieldさん、ドラクエの堀井さん、ゲームブックのSteve Jacksonさん、D&DのFrank Mentzerさん(かな?)、それから…(いい加減にしろ)。

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様々なパブリッシャーを渡り歩く、流浪のソフトハウス。

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